令和3年度 諏訪赤十字 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 587 137 217 334 637 893 1485 3201 2480 691
令和3年度中に当院を退院した患者さんを年齢階級別に集計しました。退院患者さんの年齢構成を見ると、その病院の特徴をある程度知ることができます。
当院は、地域医療支援病院の指定を受け、地域がん診療連携拠点病院(高度型)としてがんの治療を積極的に行っていることや、脳卒中センター、心臓血管センター、救命救急センターを有し、脳疾患や循環器疾患に24時間対応していることから、幅広い年齢層の患者さんを診療しております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 101 4.34 4.74 0.99 70.15
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 54 6.98 7.11 1.85 63.87
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 46 13.74 15.76 2.17 75.33
060340xx99x0xx 胆管(肝内外)結石、胆管炎 手術なし 38 9.05 9.62 0.00 75.68
060020xx02xxxx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 29 19.83 18.34 3.45 73.14
消化器外科における診断分類別の患者数について報告します。入院患者の中で、最も多い疾患は、成人(15歳以上)の鼠径ヘルニアに対して手術が行われた患者さんです。患者さんの平均年齢は70.1歳です。鼠径ヘルニアに対しては、およそ3分の1の患者さんに対して鏡視下手術が行われており、術後疼痛の軽減など患者さんに有用な術式を選択し、平均在院日数も5日未満で全国平均よりかなり短くなっております。次に多いのは、胆のう炎などに対して腹腔鏡下胆のう摘出術などが行われた患者さんです。患者さんの平均年齢は63.8歳です。平均在院日数は1週間未満でこれも全国平均より短期間となっています。3番目に多いのは、結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍に対して切除手術など行われた患者さんです。患者さんの平均年齢は75.3歳と高齢となりますが、平均在院日数は2週間以内であり、全国平均よりも2日も短い経過で退院できております。4番目に多いのは、胆管結石や胆管炎に対して手術以外の治療をした患者さんです。これは当科においては、主に胆道系の手術をされた患者さんのうち、中長期の術後合併症として術後胆管炎を発症した患者さんが多いです。手術などの処置ではなく、抗生剤の投与で改善することがほとんどですが、最近は繰り返す胆管炎に対しては内視鏡治療を行うこともありますが、全国平均よりは短く、平均で9日程度の入院期間となっています。5番目に多いのは、胃の悪性腫瘍に対して手術が行われた患者さんです。患者さんの平均年齢は73.1歳と比較的高齢で、胃切除という食事に関して術後調整が必要となります。平均在院日数は19.8日と全国平均より1日程度長い入院期間となっております。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 126 2.35 2.65 0.79 70.92
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 73 9.96 9.21 8.22 80.58
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 56 6.64 7.96 0.00 74.27
060190xx99x0xx 虚血性腸炎 手術なし 34 7.62 8.74 0.00 71.15
060380xxxxx00x ウイルス性腸炎 29 7.55 5.53 3.45 56.21
消化器内科では内視鏡検査を主体に検査・治療を行っています。大腸ポリープ切除術は最も多い内視鏡的治療であり、検査時にポリープを見つけた場合にそのまま外来での治療も多く行っています。ポリープが大型であったり、多数の場合には入院で治療を行います。早期の胃癌・ポリープに対しても内視鏡的に切除可能な症例に対しては積極的に内視鏡的治療を行っています。総胆管結石に対する治療も多く、受診された当日に緊急検査・治療を行うことも多くあります。血便や腹痛で発症する虚血性腸炎については腸管安静が必要であり、絶飲食のうえ点滴を行い、腹部症状が落ち着けば食事を再開して約1週間の入院で退院となります。主な内視鏡的治療ではクリニカルパスを導入しており、入院期間の短縮に努めています。また、ウイルス性腸炎に対しては、絶食・点滴による治療が基本で、体力の回復を促します。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900xx 心不全 手術なし 153 18.58 17.35 9.15 84.29
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 心臓カテーテル法による諸検査等(一連の検査について)左心カテーテル等 120 3.18 3.06 0.00 70.76
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 108 4.57 4.36 0.00 69.83
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 86 4.53 4.79 0.00 65.91
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり(ペースメーカー移植術等) 49 10.90 10.24 0.00 78.84
①様々な原因で心臓の調子を落としている方の入院です。
②心不全で入院され、原因を調べるための精密検査を行った方の入院です。
③狭心症など心臓の血管である冠動脈に詰まりが見つかった方の入院です。
④脈拍が多くなる不整脈の根治治療であるアブレーションを行った方の入院です。
⑤脈拍が少なくなる不整脈のためペースメーカーを植込んだ方の入院です。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし リツキシマブ 90 9.60 10.66 1.11 71.84
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群 手術なし アザシチジン 87 8.24 10.12 0.00 76.15
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり(輸血等) 化学療法 62 21.55 37.46 1.61 72.53
130060xx97x40x 骨髄異形成症候群 手術あり(輸血等) アザシチジン 49 13.88 18.76 0.00 74.02
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術なし エロツズマブ等 38 16.50 20.95 0.00 74.84
当科で最も多い診断群分類は、非ホジキンリンパ腫に対してリツキサンという薬剤による化学療法を実施している症例です。2番目に多い診断群分類は、骨髄異形成症候群に対して化学療法を実施している症例です。当科では、血液内科領域の3大がんである“急性白血病”“悪性リンパ腫”“多発性骨髄腫”を中心に血液疾患全般にわたり幅広く対応しています。悪性リンパ腫ではこの領域の治療成績を飛躍的に向上させたリツキサンを中心とした最先端の化学療法を施行しています。また、根拠に基づいた標準的な治療を行うことにより極めて有効な治療成績を残しています。一方で、高齢の方でも日常生活の質を保てるよう輸血を含めた支持療法にも力を入れており、すべての患者さんに身近な医療を提供できるよう努めています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 465 2.14 2.71 0.00 77.66
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 水晶体再建術 46 6.02 6.14 0.00 69.72
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 40 10.63 8.48 0.00 62.20
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり 片眼 23 5.78 5.36 0.00 77.22
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術あり 片眼 20 3.50 5.41 0.00 75.25
白内障手術、緑内障手術、硝子体手術が眼科では比較的多く行われている手術であり、当院ではこれらのすべての手術に対応しています。
当院でも、以前よりも短期間の入院で治療を受けられる方が増えてきています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 168 7.43 6.13 0.60 0.00
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 42 5.60 5.83 0.00 1.50
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 36 14.61 11.01 2.78 0.00
180030xxxxxx0x その他の感染症(真菌を除く。) 34 4.82 10.47 0.00 1.68
140010x199x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 人工呼吸 29 8.86 10.48 3.45 0.00
当院は地域周産期母子医療センターに指定されており、新生児集中治療室(NICU)を有し、長野県立こども病院や信州大学医学部附属病院とタイアップして、ハイリスク分娩に対応し、早産児、低出生体重児、極低出生体重児等に対する新生児医療を行っています。また、地域の産科施設で出生し、直ちに治療が必要となった新生児の受け入れを行っております。
小児科病棟では、地域の診療所から紹介いただく外来治療が困難となった気管支炎、肺炎や小児喘息等の呼吸器疾患の子どもたち、胃腸炎、嘔吐症などで脱水症を起こしてしまった子どもたちの入院加療、当院の救命救急センターに救急搬送されてくる小児のけいれん性疾患等の受け入れ等を行っています。また、諏訪地区小児夜間救病センターのバックアップ施設として、地域医療の受け皿となっています。その他にも、低身長症の精査や食物アレルギー児に対する食物負荷試験など、各種検査を行っています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 化学療法ありかつ放射線療法なし 82 10.51 9.07 2.44 67.62
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 57 18.77 18.42 3.51 76.47
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 終夜睡眠ポリグラフィー 46 2.00 2.03 0.00 61.09
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 29 12.86 13.12 10.34 75.66
040040xx99060x 肺の悪性腫瘍 オシメルチニブメシル酸塩等 19 11.00 15.06 5.26 71.84
①肺悪性腫瘍
②間質性肺炎
③睡眠時無呼吸症候群
当呼吸器内科で対応する疾患は、肺癌、呼吸器感染症、間質性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息、アレルギー性肺疾患、睡眠時無呼吸症候群など多岐にわたります。
①肺癌治療では、呼吸器センターを中心に、呼吸器内科・呼吸器外科・放射線科の医師が密に連携し、一人ひとりに最も適切な治療を提案しています。複雑化する薬物療法に対応して、新たな治療の開始時には多職種がサポートしながら安心安全に施行し、外来治療に移行できるよう進めさせていただいています。
②間質性肺炎は、突発性・膠原病性・薬剤性など原因も様々です。急性増悪症例は難治例が多く、十分な説明のもと呼吸管理を行います。また、適応のある症例には積極的に抗線維化薬を使用しています。
③睡眠時無呼吸症候群では、睡眠ポリグラフ検査を1泊2日の入院で行います。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 54 6.13 6.04 0.00 46.35
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 53 6.38 6.11 0.00 47.58
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 43 8.79 9.39 0.00 33.65
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 40 8.88 9.46 0.00 43.63
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 32 10.25 11.55 0.00 60.31
地域周産期母子医療センターとして、切迫流産、早産、多胎妊娠、妊娠高血圧症候群、母体合併症、前置胎盤、胎児異常などハイリスク妊娠・分娩管理を行っています。特に前回帝王切開例・骨盤位・多胎妊娠なども、できるだけ経膣分娩をモットーとし、骨盤位には外回転術も行っています。また、子宮筋腫・卵巣腫瘍・内膜症などの婦人科疾患に対し、手術だけでなくホルモン療法を中心とした総合的女性ヘルスケアを脳神経内科・整形外科・精神科などと連携して行っています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 前立腺針生検法等 110 2.19 2.50 0.00 71.01
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 82 7.24 7.02 0.00 75.24
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 37 10.16 11.63 0.00 68.57
11012xxx04xxxx 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 33 2.58 2.59 0.00 64.97
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 23 6.83 8.23 0.00 74.87
悪性腫瘍(癌)の診断・治療が中心になっています。前立腺腫瘍疑いでは年間約100例の前立腺針生検が実施されています。手術内容では膀胱腫瘍に対する経尿道的手術が多く、前立腺腫瘍に対してはほとんどがロボット支援腹腔鏡下手術となっています。
また。2021年5月より、腎盂・尿路結石に対する対外衝撃波や経尿道的結石破砕術も導入しました。引き続きQOLを重視した医療を目指してゆきます。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 106 25.57 25.32 78.30 85.93
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 68 24.22 20.63 63.24 69.88
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 50 23.30 23.02 70.00 78.28
070343xx99x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 脳脊髄腔造影剤使用撮影加算 26 2.00 2.68 0.00 70.00
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 24 17.21 19.34 54.17 74.75
1)救命救急センターである当院へは、高齢者の骨粗鬆症による大腿骨近位部骨折が、諏訪市はもとより諏訪市外からも救急搬送され、内科、麻酔科など、関連科の協力を得て、速やかに人工骨頭挿入術(人工骨頭置換術)を行っております。内科的併存症がある高齢者が大部分ですが、院内各科のレベルが高く、大部分の患者さんの併存症に適切に速やかに診療対応でき、安全に手術を行っています。
2)股関節症、大腿骨頭壞死症などの股関節疾患による股関節痛で歩行や日常動作が著しく制限されている患者さんに、人工股関節置換術を行うことでそれらを著しく改善しています。特に、当院では、県下で初めてナビゲーションシステムを2015年9月に導入し、全例に使用してきています。このナビゲーションシステムは、CTデータに基づいて正確に人工関節の部品を設置でき、脱臼などの合併症予防、よりよい耐用性に有用です。さらに、切る筋肉なども少なくなり、リハビリが早くなり、入院期間も短縮しました。また、周囲の大血管の位置もこのシステムによって把握でき、より安全に手術ができるようになりました。このような長所があるナビゲーションシステムの導入以来、他の医療機関から人工股関節置換術の対象患者さんの紹介が増えてきています。部品のゆるみなどで破たんした人工股関節に対する再置換術も行っています。
3)人工膝関節置換術は、膝関節症や関節リウマチによる膝痛で、歩行や日常動作が著しく障害されている患者さんに行ってきています。当院では、膝機能と耐用性に優れた臨床実績がある機種を用いることで、合併症が少なく、耐用性も良好となっています。部品のゆるみなどで破たんした人工膝関節に対する再置換術も行っています。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 38 14.32 13.14 10.53 83.84
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 23 14.22 8.30 26.09 70.00
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 23 26.87 20.57 21.74 84.61
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 18 14.78 19.34 55.56 82.56
100380xxxxxxxx 体液量減少症 15 17.47 10.66 13.33 75.07
救急科では救急車だけでなく、ドクターカーやドクターヘリによる救急搬送・救急受診した患者さんを担当しています。入院が必要な患者さんは他科と協力して担当しています。
疾患としては、集中治療を要する敗血症や外傷が多いです。外傷に関しては、脳神経外科・整形外科・心臓血管外科など、他科と連携を要する症例も多く、全身管理を行いながら協力して治療を行っています。
上記疾患の他、心臓停止蘇生後、急性薬物中毒など多岐にわたる疾患に対して治療を行っています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし エダラボン 発症前Rankin Scale 0、1又は2 41 16.46 15.63 19.51 72.10
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 30 25.70 18.90 60.00 75.33
010110xxxxx4xx 免疫介在性・炎症性ニューロパチー ガンマグロブリン 27 11.93 16.11 0.00 73.93
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし エダラボン 定義副傷病 (心房細動及び粗動等) 発症前Rankin Scale 0、1又は2 22 17.45 17.48 31.82 80.45
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 17 19.94 17.86 5.88 75.88
当科に入院される患者さんの中で、上位5種類の病気の患者さんの数を示しています。最多の「脳梗塞」は脳血管の動脈硬化に伴う脳梗塞です。脳梗塞の中では比較的症状が軽いのですが、麻痺などが残りリハビリ専門施設に転院される方が一定数おられます。2番目の非外傷性頭蓋内出血」は、いわゆる脳内出血といわれる病気です。脳梗塞と同様に麻痺などが残ることが多く、リハビリ専門施設あるいは療養のための病院/施設に転院されるかたが比較的多くおられます。3番目の「免疫介在性・炎症性ニューロパチー」は末梢神経の炎症に伴う痺れや脱力を生じる病気です。治療のため特殊な薬剤を定期的に点滴投与する必要があり、繰り返し入院される方が多くおられます。4番目の「脳梗塞」は最多の脳梗塞とは異なり、不整脈(特に心房細動)に伴う塞栓により生じる脳梗塞です。比較的高齢の方に多く、症状も重症な場合が多いとされています。5番目の「パーキンソン病」は代表的な神経変性疾患です。徐々に体の動きが悪くなり、歩行をはじめ日常生活に支障をきたすようになります。発症早期には内服薬がよく効くことが多いのですが、進行すると次第に効果が薄れ、薬剤の調整やリハビリのために短期間の入院が必要になる場合があります。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり(慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等) 41 10.93 9.78 7.32 80.76
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし エダラボン 発症前Rankin Scale 0、1又は2 33 14.12 15.63 15.15 72.12
010010xx02x00x 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 14 17.29 20.79 7.14 63.71
010030xx01x0xx 未破裂脳動脈瘤 脳動脈瘤頸部クリッピング等 14 12.43 15.26 0.00 65.29
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 14 31.00 18.90 78.57 76.21
当院は諏訪地域では唯一の、重症救急患者に対して高度な医療を提供する救命救急センターを有しています。
救急医療が必要な頭部外傷や脳卒中などの患者さんがたくさんいらっしゃいます。脳神経外科医は専門医3名で24時間365日の診療体制を組み、諏訪湖周辺の各病院から当院へ搬送される神経救急患者さんを脳神経内科との共同で診療にあたっています。基本的にすべての疾患を当院で完結できるよう態勢を整えています。特殊な疾患では信州大学脳神経外科医を招聘して治療にあたることで良好な治療結果を得ています。脳神経外科入院患者数として多いのは、救急で治療が必要な慢性硬膜下血腫、脳梗塞、脳出血などの患者さんたちとなりますが、そのほかにも徐々に大きくなって具合が悪くなる脳腫瘍、平時は症状のない未破裂脳動脈瘤の患者さんたちにも入院してもらって手術治療を提供しています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 95 5.23 6.47 0.00 55.67
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 14 5.14 7.84 0.00 8.43
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 11 5.55 4.92 0.00 74.18
030200xxxxxxxx 腺内唾石 11 4.27 6.11 0.00 40.73
030428xxxxxxxx 突発性難聴 11 9.27 8.75 0.00 66.73
鼻閉・鼻汁・後鼻漏を生じる慢性副鼻腔炎に対する手術が最多となっています。
全国ではまだ数少ない唾液管内視鏡とHo-Yagレーザーが使用できるため遠方より唾石症の患者さんが手術目的で入院されております。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 37 5.03 7.87 2.70 71.30
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 人工腎臓その他の場合 26 8.50 13.74 0.00 73.81
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 17 17.71 20.57 23.53 85.88
110280xx991xxx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 経皮的腎生検法 15 3.20 7.66 0.00 46.00
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 手術なし 11 15.82 20.43 0.00 63.36
当科腎臓内科の業務について解説します。入院患者さんの数の多い順にお話すると、最も多い入院は腎不全患者さんのシャント作製です。透析を受けるのにシャントが必須でこれを作るための入院です。次は透析患者さんの入院で(1)透析を始めるときの入院(2)透析中の合併症の治療の入院等です。次の誤嚥性肺炎は高齢患者さんの肺炎で一般内科の業務です。次は腎臓の検査の中で最も重要な腎生検の入院で当院では2泊3日の予定で検査します。最後はネフローゼ症候群の治療の入院です。腎疾患の中で特徴的な病態のネフローゼ治療の入院です。
乳腺・内分泌外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 55 11.98 10.15 0.00 61.25
090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし シクロホスファミド+塩酸エピルビシン等 49 2.14 3.94 0.00 55.39
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 48 6.52 5.88 0.00 61.94
090010xx99x8xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし ペルツズマブ 27 2.04 4.21 0.00 55.96
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの)等 13 9.92 8.19 0.00 59.77
乳腺・内分泌外科の入院内訳を示します。当科では、乳癌および甲状腺癌に対する手術および薬物治療と、副甲状腺疾患の外科治療を担当しています。
当科で入院加療を要する病状は、乳癌や甲状腺・副甲状腺腫瘍の手術に加え、抗がん剤治療開始時です。特に乳癌に術前あるいは術後(いわゆる再発予防)治療が多くを占めます。抗がん剤治療は原則全例外来で行っていますが、安全管理を重視する当院の方針で、初回投与時のみ1泊2日入院で行っています。また、抗HER2剤の初回投与時も、他施設と同様、推奨通りに1泊2日入院で行っています。乳癌の薬物治療では個別か治療の進歩が目覚ましく、副作用管理に努め、過不足なく治療を行うことが大切です。本票の薬物治療入院件数は、ここの患者さんの病状に要した新規薬物治療の開始件数を反映しています。今後も再発リスクおよび副作用、病状に応じた、ここの患者さんとのShared Decision Making(治療決定を患者さんと相談・共有すること)に努めて、治療に臨んでいきます。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 手術あり 92 7.27 10.47 0.00 71.26
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等  23 6.78 9.86 0.00 32.65
040010xx01x0xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 縦隔悪性腫瘍手術等 10 6.70 9.26 0.00 64.20
040150xx97x00x 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術あり  10 8.60 29.54 10.00 62.60
040200xx99x00x 気胸 手術なし - - 9.28 - -
当科の主な対象疾患は、肺の悪性腫瘍・縦隔腫瘍・自然気胸などです。当院ではほぼ全例に胸腔鏡下の手術、特にロボット手術に力を入れています。近年肺がん症例が増加し、最も多い疾患は肺の悪性腫瘍(肺がん)手術症例です。高齢者に対する手術も積極的に行っていますので、平均年齢は70歳を超えていますが、平均在院日数は約5日であり、短期間での退院が可能となっています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 25 2.80 2.94 0.00 67.04
080010xxxx0xxx 膿皮症 16 10.94 13.07 0.00 68.44
020320xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり 13 2.69 3.11 0.00 50.31
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 12 3.50 4.01 0.00 51.08
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 11 7.55 7.68 0.00 77.82
加齢とともに次第にまぶたが上がりづらくなり視界が狭いなどの症状を引き起こす眼瞼下垂症や、加齢による瞼の構造の変化により睫毛が眼球に接触してしまう眼瞼内反症に対して手術治療を行います。
皮膚・軟部組織感染症(皮膚、脂肪などが感染した状態)は下肢に多く、抗生剤治療のほか、感染した下肢を挙上して安静にすることが重要であり、入院で治療を行います。
皮膚、皮下腫瘍の手術は外来通院で可能なものもありますが、大きな腫瘍や合併症の危険性が高いものなどは、入院で手術治療を行います。
皮膚悪性腫瘍は広範囲の切除が必要になるため、変形やきずあとが最小限になるように配慮した手術治療が行われます。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 中心静脈注射等 26 20.81 21.93 0.00 69.42
050050xx0111xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 冠動脈、大動脈バイパス移植術 2吻合以上のもの等 中心静脈注射等 24 22.63 26.82 0.00 71.46
050163xx9910xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 手術なし 心臓カテーテル法による諸検査(一連の検査について)左心カテーテル等 23 3.00 4.33 0.00 78.52
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 14 11.86 11.06 0.00 80.00
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 四肢の血管拡張術・血栓除去術等 - - 5.32 - -
心臓血管外科は心臓疾患、胸部・腹部の大血管および末梢血管の患者さんを担当していますが、循環器内科と連携し、特にそれらの外科治療を行っています。
外科治療の内容としては虚血性心疾患に対する冠動脈バイパス術、心臓弁膜症に対する弁置換術、腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術およびステントグラフト内挿術に対する手術が上位を占めています。
糖尿病・内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) インスリン製剤(注射薬に限る。) 25 13.72 14.41 0.00 70.08
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) - - 11.15 - -
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし - - 13.14 - -
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 - - 13.25 - -
100040xxxxx11x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 中心静脈注射等 定義副傷病(急性尿細管質性腎炎等) - - 31 - -
糖尿病・内分泌内科における入院診療で最も多いのが、インスリン治療による血糖コントロールを目的とするものです。内服薬のみの治療で血糖コントロールが不十分であった患者さん、初めて糖尿病が見つかった時すでにインスリン治療が必要な重症な患者さん、外科手術前に短期間に確実に血糖コントロールを改善させる必要がある患者さんなどが主なものです。また、妊娠中に血糖値が上昇する妊娠糖尿病でもインスリン治療を必要としますので、患者さんの状況によって入院治療を行う場合があります。入院では適切な食事療法や運動療法も学ぶことができます。当院では、インスリンの要否に関わらず、糖尿病の知識習得、食事・運動療法の体験を目的とした、2泊3日の教育入院も実施しています。進行した認知症などない限り、患者さんは自分でインスリン注射や血糖測定ができるようになって、血糖値が改善して元気に退院することができます。
当院では糖尿病専門医が診療にあたっておりますが、諏訪地域には糖尿病専門医が少なく、各医療期間から重症な糖尿病患者さんをご紹介頂いております。従いまして、この受け入れ態勢を維持するために、十分に改善した患者さんにおかれましては、地域の医療機関に逆紹介させて頂いておりますので、ご理解をよろしくお願い申し上げます。
リウマチ・膠原病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 15 16.00 14.75 0.00 63.87
070470xx99x0xx 関節リウマチ 手術なし - - 15.50 - -
070560xx99x01x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 あり(詳細不明の真菌症等) - - 24.06 - -
070560xx99x71x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし ガンマグロブリン 定義副傷病 あり(その他の真菌症,他に分類されないもの等) - - 30.50 - -
180030xxxxxx1x その他の感染症(真菌を除く。) 定義副傷病 あり(E1192型<インスリン非依存性>糖尿病<NIDDM>,合併症を伴わないもの等) - - 22.12 - -
リウマチ・膠原病内科の入院診療を見ますと、高容量のステロイド投与を必要とする関節リウマチ以外の膠原病患者さん(皮膚筋炎、血管炎、大動脈炎など)、痛みのため体動困難となったリウマチ性多発筋痛症患者さん、そして免疫抑制治療に伴う感染症患者さん(肺炎や尿路感染症)が大部分を占めます。
また、外来診療が主軸の関節リウマチ患者さんにおいても、急性増悪に対する治療や生物学的製剤の導入のため、入院での加療を行う場合もあります。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 19 7.95 9.22 0.00 72.47
080190xxxxxxxx 脱毛症 - - 3.36 - -
080110xxxxx0xx 水疱症 - - 29.17 - -
080090xxxxxxxx 紅斑症 - - 10.15 - -
080050xxxxxxxx 湿疹、皮膚炎群 - - 10.28 - -
総合病院の皮膚科であり、入院が必要な感染症や水疱症の患者さんが多く、紹介されます。
また、難治性の重症脱毛症の入院治療も行っております。
必要時には当院形成外科や血液内科、リウマチ膠原病内科、信州大学附属病院皮膚科など連携して診療を行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 31 - 16 31 - 67 1 8
大腸癌 31 53 20 48 - 59 1 8
乳癌 74 65 22 - 38 1 8
肺癌 62 20 26 47 - 191 1 8
肝癌 15 - - - - 74 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
初めて5大癌(胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌)に罹患し入院した患者さんの人数をUICC分類別に集計しています。また、癌が再発して入院した患者さんの人数を癌腫別に集計しています。令和3年度中に入院した実患者数となっており、対象期間中に複数回入院された患者さんも1例としてカウントされています。初発例としてカウントした患者さんは再発例には含まれません。再発患者さんについては、他病院で治療(手術や化学療法など)を受けた患者さんも含まれます。Stage(病期)とは、がんの進行状態を示すものであり、数字が大きくなるにつれ癌が進行しているといえます。
当院には各科の専門医・指導医が多く在籍し、消化器内科と外科では胃癌・大腸癌・肝癌の患者さんを広く受け入れ、呼吸器内科と呼吸器外科では肺癌の患者さんを広く診療しています。
Stage Iの患者さんには、低侵襲治療である内視鏡治療(胃カメラ)や腹腔鏡手術を行っております。一方で、StageIVの進行癌も多く手術や化学療法など患者さんの状態に合わせた治療を積極的に行っています。
大腸癌は、各Stageとも人数に大きな変化はなく、手術のほとんどは腹腔鏡下に行い、また進行癌に対しては化学療法を積極的に行っております。
各Stage多くを扱い、とくに進行癌や再発例に対しては呼吸器内科において化学療法を積極的に行っております。再発例が多いのが特徴です。手術では、胸腔鏡補助下に低侵襲手術を行っております。
乳癌は女性の癌の中で最も多い癌で、近年増えています。当院は地域の先生方や大学と協力し、診断から治療まで幅広く診療を行っております。Stage IとIIが多いのが特徴です。手術は可能な限り乳房温存手術を行っております。ガイドラインに則り手術前後の化学療法も積極的に行っております。
肝癌は、再発が多く、患者さんの状態に合わせて手術や内科的な治療を行っております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 12 12.42 65.58
中等症 103 16.07 77.87
重症 21 22.38 85.76
超重症 11 30.45 87.91
不明 - - -
市中肺炎とは、普段の生活の中で罹患する肺炎のことです。この指標では細菌による肺炎を集計しており、ウイルス性肺炎や誤嚥性肺炎、院内肺炎、気管支炎などは対象外です。脱水や低酸素状態、意識障害や血圧低下などを認める重症~超重症の症例は一般に入院期間が延長します。また、高齢者肺炎は全体的に基礎疾患を有することも多く、退院後の生活も考慮してやや入院期間が延長します。ガイドラインに沿った抗菌薬治療だけではなく、最新の機器(人工呼吸器、NPPV、ネイザル・ハイフロー等)を積極的に活用し、様々な病態に応じた呼吸管理を行っています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 239 23.85 79.53 34.98
その他 24 22.83 76.08 3.04
脳梗塞は一般に突然発症する疾患であり、ほとんどの例で発症直後に救急搬送され緊急入院されます。入院後、しばらくは脳循環を改善させる治療や脳のむくみを減らす治療などを行い、後遺症の低減に努めます。並行してリハビリテーションを行い、症状の回復に努めます。また、脳梗塞は再発しやすい病気であり、再発するほど症状が重く、生命にも影響が出ますので、再発予防治療も行います。多くの場合、麻酔や嚥下障害などの症状が残り、すぐには社会や家庭に復帰できない場合があります。入院患者さんの約3分の1の方は、専門的なリハビリを行うために転院されます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 89 1.76 5.40 2.25 67.70
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 等 88 0.98 2.34 1.14 70.86
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 53 4.32 13.23 3.77 75.68
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 30 2.53 9.30 0.00 72.43
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 21 0.00 1.00 0.00 68.67
消化器外科で行われた手術でもっとも多かったのは、腹腔鏡下胆のう摘出術でした。胆のう炎や胆のう結石症に対しては胆のう摘出術が行われますが、原則的に腹腔鏡下の手術を行います。急性胆のう炎の場合、発症からなるべく早い時期に手術を行うことが推奨されており、当科では平均で入院後2日未満で行っています。また術後の入院日数も6日未満と短い期間で治療が行われています。次に多かった手術は、鼠径ヘルニアなどに対するヘルニア手術です。対象の年齢も比較的高齢で70歳を超えています。基礎疾患があったり、2度目の手術であるなど患者さんの状態に合わせて術式を選択しています。直視下手術は全身麻酔ではないので、術前の準備がさほど必要なく入院当日に手術を行うこともあります。一方で鏡視下の手術は術後の患者さんの負担が少ないため術後の入院日数が短くなっています。平均在院日数は3日程度であり、短期間入院で行うことが可能です。3番目に多かった手術は、結腸悪性腫瘍に対して行われた腹腔鏡下結腸切除術です。大腸がんは全国的に増加しており、それに伴い手術件数も増えています。これは大腸に発生した悪性腫瘍(がんがほとんど)のなかで、結腸(直腸は除く)に発生した悪性腫瘍に対して、腹腔鏡下に手術が行われた患者さんの数です。結腸悪性腫瘍に対する手術のうち8割以上は腹腔鏡下に手術を行っています。結腸の悪性腫瘍は、腸閉塞を発症して見つかることもあり、手術の前に内視鏡下に処置が必要な場合など、入院後手術まで日数を要することがあります。一方で腹部大手術にも関わらず、術後は平均2週間以内で退院できています。4番目に患者さんが多かった手術は、内視鏡的胆道ステント留置術です。胆管がんや膵臓がんに対して胆管切除、胆道再建術が行われた場合など、比較的多い術後中長期合併症に術後胆管炎があります。繰り返す胆管炎などが原因で再建部分が狭くなることがあり、このような場合に再建部分にステントという管を留置して胆汁の流れをよくするとともに、狭くなった部分を広げるようにします。胆管炎の発症から、平均の入院期間は10日を少し超える程度です。炎症が治まり、食事を摂れることを確認して退院します。5番目に多い手術は、下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術です。静脈瘤は静脈の血流の逆流減少が原因で起こることが主な原因ですが、責任血管である、大伏在静脈や小伏在静脈の血管内を焼灼して逆流を起こさないようにします。カテーテル手術であり、手術当日に入院して翌日退院するようにしています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 等 441 0.03 1.00 0.00 77.80
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 等 134 0.22 6.29 0.00 67.69
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 15 0.00 5.40 0.00 71.73
K2821イ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(縫着レンズ挿入) 等 14 0.00 4.00 0.00 76.00
K2686 緑内障手術(水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術) 等 10 0.00 1.10 0.00 77.20
白内障手術、緑内障手術、硝子体手術が眼科では比較的多く行われている手術であり、当院ではこれらのすべての手術に対応しています。
手術に関して、短時間手術、短期間入院が注目されています。
当院でも白内障手術では日帰り手術が増えています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 等 124 0.31 1.14 0.00 71.72
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 60 1.90 7.23 6.67 81.42
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) 等 49 0.20 5.49 0.00 75.27
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 43 0.79 4.23 0.00 72.60
K654 内視鏡的消化管止血術 30 0.53 7.90 10.00 74.93
消化器内科で行う手術は内視鏡を用いており、最も多い手術は大腸ポリープ切除術です。大半の症例は外来で治療しますが、ポリープが大型であったり、多数の場合には入院で治療を行います。早期消化管癌に対する内視鏡的切除術も比較的短期間の入院で行うようクリニカルパスを用いています。また、黄疸や胆管炎を発症した場合や吐血・血便など出血性疾患を認めた場合、必要があれば時間外でも緊急で内視鏡検査を行い、原因精査と治療を行います。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 85 1.00 4.12 0.00 47.28
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの 等 55 1.05 4.15 0.00 45.44
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 等 54 6.48 6.76 0.00 33.50
K877 子宮全摘術 40 1.03 7.98 0.00 49.38
K879 子宮悪性腫瘍手術 30 1.47 7.73 0.00 60.20
卵巣腫瘍・内膜症・子宮筋腫などに対し腹腔鏡手術や経膣手術を積極的に導入し、低侵襲手術に心がけています。麻酔科医による硬膜外麻酔を併用した帝王切開には小児科医師も立ち会い、毎日、小児科による新生児の診察を行っています。子宮癌、卵巣癌の進行癌症例には、広汎手術のみでなく、抗癌剤を併用したり放射線を組み合わせた化学療法性療法も行います。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 等 83 1.98 3.52 1.20 70.65
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 等 70 1.23 2.50 0.00 68.80
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 等 44 1.86 8.68 0.00 79.11
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 38 1.11 2.37 0.00 74.55
K555-22 経カテーテル大動脈弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) 37 5.59 11.70 13.51 85.38
①狭心症で冠動脈(心臓の血管)に詰まりがある方でステントで拡張治療を行った方の入院です。
②脈拍が多くなる不整脈の根治治療であるアブレーションを行った方の入院です。
③脈拍が少なくなる不整脈でペースメーカーを植込んだ方の入院です。
④下肢の動脈の詰まりがある方でステントなどで拡張治療を行った方の入院です。
⑤大動脈弁の開きが悪く(狭窄症)、カテーテル(細い管)を用いて狭窄弁の内側に人工弁を留置した方の入院です。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股) 等 117 1.16 22.44 64.96 73.45
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 93 1.71 24.01 69.89 83.59
K0811 人工骨頭挿入術(股) 等 38 3.37 24.11 73.68 83.32
K0462 骨折観血的手術(前腕) 等 34 1.85 15.79 11.76 66.24
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 等 12 2.67 23.00 33.33 67.08
1)股関節症、大腿骨頭壞死症などの股関節疾患による股関節痛で歩行や日常動作が著しく制限されている患者さんに、人工股関節置換術を行うことでそれらを著しく改善しています。特に、当院では、県下で初めてナビゲーションシステムを2015年9月に導入し、全例に使用してきています。このナビゲーションシステムは、CTデ-タに基づいて正確に人工関節の部品を設置でき、脱臼などの合併症予防、よりよい耐用性に有用です。さらに、切る筋肉なども少なくなり、リハビリが早くなり、入院期間も短縮しました。また、周囲の大血管の位置もこのシステムによって把握でき、より安全に手術ができるようになりました。このような長所があるナビゲーションシステムの導入以来、他の医療機関から人工股関節置換術の対象患者さんの紹介が増えてきています。部品のゆるみなどで破たんした人工股関節に対する再置換術も行っています。
2・3・4)骨折観血的手術:救命救急センターである当院へは、高齢者の骨粗鬆症による大腿骨近位部や下腿・前腕の骨折患者さんが、諏訪市はもとより諏訪市外からも救急搬送されてきています。内科、麻酔科など、関連科の協力を得て、速やかに人工骨頭挿入術(人工骨頭置換術)や観血的整復固定術を行っております。内科的併存症がある高齢者が大部分ですが、院内各科のレベルが高く、大部分の患者さんの併存症に適切に速やかに診療対応でき、安全に手術を行っています。
5)腰から殿部、足にかけての痛み、しびれ、足が出なくなってすぐに歩けなくなってしまう間欠性跛行等の原因となる腰部脊柱管狭窄症に対して、脊柱管を拡大して圧迫されている神経が緩むように椎弓切除術等の手術を行っています。すべり症があり不安定な場合は脊椎固定術も併用しています。最近では腰痛や足の痛みを伴う成人脊柱変形(横に曲がる側彎、姿勢が前屈みになってしまう後彎)に対しても、脊柱の矯正固定術を行っています。また、頚部で脊柱管が狭くなって手足がスムーズに動かせなくなってしまう(ふらついて歩けない、箸が使えない、ボタン掛けができない等)頚髄症に対しても頚椎の椎弓形成や固定等の手術を行っています。固定術の際に必要となるスクリューの設置ではナビゲーションシステムを用い、より安全で正確に行えるようにしています。腰椎の固定術では従来の背中からだけの手術ではなく、側腹部から侵入する新しい手術法も導入して、より少ない侵襲でより確実に固定できるようにしています。手術に際しては内科等他の診療科にもコンサルトし安全に行えるように留意しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 等 52 1.27 5.15 0.00 74.44
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 等 37 1.00 8.16 0.00 68.57
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 等 33 0.15 1.42 0.00 64.97
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 その他のもの 等 29 1.14 4.76 0.00 75.93
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 18 1.33 8.22 0.00 71.17
悪性腫瘍(癌)に対する治療が中心となっています。手術内容では前立腺腫瘍に対するロボット支援腹腔鏡下手術、腎・尿管腫瘍に対する腹腔鏡下手術などほとんどが内視鏡下手術となっています。
また、2021年5月より腎盂・尿管結石に対する対外衝撃波、経尿道的結石破砕術が導入されました。引き続き、低侵襲で質の高い医療を目指してゆきます。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術III型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 等 56 1.29 3.14 0.00 57.25
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 等 41 1.12 2.95 0.00 55.24
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 等 18 1.00 3.11 0.00 10.78
K3932 喉頭腫瘍摘出術 直達鏡によるもの 等 10 1.00 1.40 0.00 72.30
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 - - - - -
慢性副鼻腔炎に対して全例ナビゲーションシステムを使用しています。安全でより高精度な手術が可能となっています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除、1肺葉超・手術用支援機器使用) 等 55 1.00 6.42 0.00 71.85
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) 等 25 3.40 4.36 0.00 32.48
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除)(内視鏡手術用支援機器使用) 等 23 1.00 5.35 0.00 70.78
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 等 17 1.00 4.12 0.00 70.29
K513-2 胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器使用) 13 1.00 3.62 0.00 61.38
肺がんに対する手術が多く、ほぼ全例に胸腔鏡下で行っています。胸腔鏡手術とは胸部で行う鏡視下手術のことで、専用の手術機器を使って、全身麻酔下に1cm~3cmの数か所の創で手術を行います。その中でもロボット支援手術に力を入れており、肺がん手術の70%以上、縦隔腫瘍のほとんどをロボット支援手術で行っています。平均術後日数は7日未満であり、短期間での退院が可能になっています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 41 0.32 9.78 9.76 80.73
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング 1箇所 25 0.96 19.84 12.00 63.04
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの 等 19 3.79 35.05 10.53 68.53
K1781 脳血管内手術 1箇所 10 8.90 24.90 40.00 61.70
K1642 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 硬膜下のもの 等 - - - - -
脳神経外科手術件数は年間200から250件程度です。当院では顕微鏡や内視鏡で行う外科治療とカテーテルで行う血管内治療を並行して可能とするハイブリット手術室を備えています。脳神経外科常勤医師は専門医3名で24時間365日の診療体制を組み、基本的にすべての疾患の外科治療を当院で完結できるよう態勢を整えています。特殊な手術では信州大学脳神経外科医を招聘して治療にあたることで良好な治療結果を得ています。手術件数として最も多いのは慢性硬膜下血腫で、昨年は41件の手術がありました。慢性硬膜下血腫は局所麻酔かの30分程度の手術治療で多くの人が完治する疾患です。ご心配はもっともですが、安心して我々に治療を任せていただければと思います。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 24 0.83 1.00 0.00 68.25
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 等 16 0.63 6.25 0.00 80.12
K2172 眼瞼内反症手術(皮膚切開法) 等 10 0.70 1.00 0.00 37.70
K333 鼻骨骨折整復固定術 - - - - -
K223-2 内眥形成術 - - - - -
形成外科で最も多く行われている手術は眼瞼下垂症手術でした。眼瞼下垂症、眼瞼内反症は加齢によって起こるものが多く、高齢社会の現在では非常に多い疾患です。形成外科ではその手術治療を行っています。眼瞼内反症には先天的なものもあり、それらはめがしらの部分の構造的な問題が原因の一端であるので、幼少期から学童期に全身麻酔で内眥形成術行われる場合もあります。
皮膚悪性腫瘍は形成外科で手術治療が行われます。診断や手術治療後の経過観察は主に皮膚科で行われますが、連携しながら治療を行っています。変形やきずあとが最小限になりように配慮します。
鼻骨骨折をはじめとした顔面骨骨折党の外相は形成外科で診療します。
乳腺内分泌外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 48 1.10 4.42 0.00 61.94
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 等 28 1.18 10.89 0.00 63.68
K4764 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。)) 15 1.00 9.40 0.00 56.87
K4765 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの 12 1.08 11.08 0.00 60.92
K4634 甲状腺悪性腫瘍手術(全摘及び亜全摘・片側頸部外側区域郭清を伴う) 等 - - - - -
乳腺・内分泌外科の手術内訳を示します。当科では、乳癌および甲状腺癌に対する手術および薬物治療と、副甲状腺疾患の外科治療を担当しております。
乳癌を「全身病」としてとらえ、薬物・放射線治療を組み合わせた集学的治療により根治を目指す乳癌治療では、個別化治療の進歩が目覚ましく、副作用管理に努め、過不足なく治療を行うことが大切です。当科における乳癌の手術件数は例年約100例で、乳房を残す部分切除は約50%、センチネルリンパ節生検が約70%です。センチネルリンパ節生検とは、脇の下のリンパ節を前節所する郭清という手術を省略することにより、リンパ浮腫を予防する目的に行う標準手術です。乳房内における腫瘍の広がり、脇の下のリンパ節転移の有無評価の初期治療の選択において非常に重要です。乳房温存率の高さやセンチネルリンパ節生検の執行数はあくまで当科へ来院された患者さんの病状の結果にすぎません。診断の精度維持、Shared Decision Making(治療決定を患者さんと相談・共有すること)に努めています。
また、甲状腺癌を中心とした甲状腺手術は、2021年は20例でした。甲状腺癌は手術が第一の悪性腫瘍で、初回手術で根治性の高い手術を行うことが非常に大切です。2022年より内分泌外科専門医が着任いたしました。手術では、腫瘍の根治的切除と精度の高いリンパ節郭清を行い、頸部での再発リスク低下を目指した手術に取り組んでまいります。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) 28 3.29 19.75 0.00 70.75
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 18 2.17 10.72 5.56 76.67
K5551 弁置換術(1弁) 14 2.43 18.00 0.00 73.50
K5943 不整脈手術(メイズ手術) - - - - -
K5607 大動脈瘤切除術(腹部大動脈(その他)) - - - - -
当科は心臓疾患、胸部・腹部の大血管および末梢血管の患者さんを担当していますが、循環器内科と連携し、特にそれらの外科治療(ステントグラフト内挿術を含む)を行っています。
外科治療の内容としては虚血性心疾患に対する冠動脈バイパス術、心臓弁膜症に対する弁置換術、胸部および腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術およびステントグラフト内挿術が上位を占めております。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 等 54 3.59 6.22 3.70 73.76
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 12 15.33 16.67 16.67 76.33
K608-3 内シャント血栓除去術 - - - - -
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) - - - - -
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) - - - - -
当科での手術につき概説します。当科は内科ですが、透析に関わる手術を執刀します。日本では透析患者の98%は血液透析を受けておられます。血液透析に必要な血管(シャントといいます)の新規作成が当科で最も多い手術で、内シャント造設術です。シャントは長年使っていると、閉塞したり、不具合を起こし、それらの修正手術がシャント血栓除去手術やシャント結紮術です。腹膜透析を始めるときの手術が連続携行式腹膜透析カテーテル留置術で、毎年数例ずつですが施行しています。IgA腎症という、最も多い糸球体腎炎に対する治療の手術が両側扁桃摘出術です。この手術とステロイドパルス治療を組み合わせ(通称 扁摘パルス)、IgA腎症の治療を行っています。血液透析患者さんで自己血管の乏しい方に対し、血管移植術、バイパス移植術を行います。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 14 16.36 16.00 0.00 69.29
K9212ロ 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) - - - - -
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 - - - - -
K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満) - - - - -
K6262 リンパ節摘出術(長径3cm以上) 等 - - - - -
血管内に刺した細い管(カテーテル)を皮下に留置して必要なときに体外から接続して薬剤を投与できるように小さな器具を埋め込む手術がもっとも多く行われています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる 31 0.29
180040 手術・処置等の合併症 同一 23 0.22
異なる - -
入院契機と同一というのは入院時からその疾患があるもの、異なるというのは入院中にその疾患を発症したものを意味します。
播種性血管内凝固症候群(DIC)と敗血症には、その原因となる疾患(出血、肺炎や尿路感染など)があることがほとんどで、それらが重症化した場合に発症します。DIC「異なる」、敗血症「異なる」には、院内で重症化したものが多く含まれます。例えば、入院時からあった肺炎や尿路感染症、手術後感染症の重症化などがそれにあたります。当院では「救命救急センター」を有し重症患者を積極的に受け入れています。
真菌感染症は、免疫力が低下したときに合併する場合が多く、当院においては化学療法(抗がん剤治療)後に多く起こっています。
手術・処置・検査を行う際にはある程度の確率で合併症が起こりますが、合併症を起こさないよう細心の注意を払い、起こりうる合併症については患者さんに説明を行った上で各処置を行っております。
更新履歴
2022/9/30
令和3年度病院指標を公開しました。