• 救命救急センター

ご挨拶


救命救急センター長
酒井 龍一 

 当救命救急センターは、長野県内にある 7つの救命センターのひとつで、諏訪地域には唯一です。年間救急患者数は約19,000名、救急車受入件数は約3,000台です。1次や2次の医療機関では対応できない複数の診療科、領域にわたる重症救急患者(3次)に対し、高度な医療を提供するのが救命救急センターであり、いわば地域住民の「最後の砦」です。諏訪地域では診察、投薬のみの軽症(1次)の救急患者は在宅当番医や「小児夜間急病センター」へ、入院が必要となる中等症(2次)の患者は諏訪日赤を含め7医療機関が参画している「病院群輪番制」が、それぞれ対応しています。しかしながら、1次や2次というのはあくまでも結果論であり、来院した患者にはすべて対応します。本来救命救命センターは、生命に関わる重篤な疾患を救命する場であり、そうでない場合はとりあえずの応急処置のみ行います。平素の診療とは異なります。さらに、各科の専門医が診療に当たるわけではありません。当直(救急医)が診察し必要と判断すれば、各科専門医に相談します。また、疾患の緊張度・重症度を優先して治療に当たるため、順番が前後したり、待ち時間が長くなったりする場合があります。ご理解とご協力をお願いします。 現在、日本救急医専門医3名を擁し24時間、365日救急隊や、他の医療機関から直接PHSでコールを受けオンラインメディカルコントロールや救急患者の受け入れに迅速に対応できるような体制をとっています。さらには、心臓血管外科、形成外科、精神科といった各専門科も全科そろっているため、必要な場合には各科専門医へと引継ぎ迅速かつ高度な医療を提供します。また救急専用病床10床を有し、多発外傷、薬物中毒、蘇生後脳症などの重症救急患者の受け入れに備えています。特に重症外傷においては、受傷から1時間以内に設備とスタッフがそろった初療室(手術室)へ到達することが生死の分かれ目とされています。そのため、現場で「ロード&ゴーの適応」と判断した場合は、至近の医療機関をバイパスして、専門病院へ搬入しなければなりません。センター初療室には、無影灯や麻酔器、人工呼吸器を備え、簡単な開胸、開腹、開頭手術に迅速に対応できます。
 また救命センターに隣接し、ヘリポートも有しているため遠方からの患者の受け入れも可能です。さらに「救護活動は現場から」との認識から、各種医療設備を搭載したドクターカーも運用しています。当院は災害拠点病院でもあります。赤十字の原則に基づき、国内外の救援活動にも積極的に参加しています。

 今後益々、地域の皆様に信頼していただける救急医療を提供できるよう日夜努力するとともに、患者さまの患苦を少しでも和らげることを私たちは目指します。

長野県救急医療機能評価委員会による現地視察

 県内に7か所ある救命救急センターの運営や方針を評価する組織として県が設置した

『長野県救急医療機能評価委員会』が当院の現地調査を行うため、平成27年1月16日(金)に開催されました。県から委嘱を受けた8名の委員の方の他に、県内他院の救命救急センターよりオブザーバとして8名の方が見学に来院されました。

 評価の結果、平成22年度に行われた前回の指摘事項について著しく改善されているとのよい評価をいただきました。今回もいくつかのご指摘はありましたが、病院として前向きに捉えて改善をしていく予定です。

 

  

超音波診断装置を導入しました

平成26年7月、救命救急センターの超音波診断装置が更新されました。この装置の導入により以前よりも画像が鮮明になり、また電子カルテへの画像取り込みも可能となりました。交通事故等による外傷患者の出血部位の有無が即時に判断できることから、救急で搬送された患者さんに対する迅速な診断により、医療のクオリティーアップにつながると思われます。尚、当装置は日本損害保険協会の交通災害等救急医療機器整備事業により導入されています。

 

ドクターカー運用

当救命救急センターでは平成21年12月よりドクターカーを運用しています。

ドクターカーは医師、看護師、救急救命士、事務員で構成され、病院が所有する救急車に乗り込み出動するものです。 運用時間は診療日の午前9時から午後5時となっており、交通事故や意識障害をはじめとした、諏訪広域消防からの出動要請による病院外での現場診療に加え、他医療機関からのホットラインによる緊急に処置や検査が必要な患者さまを医療施設に迎えに行くなどを実施しています。

 

出動件数は平成26年度285件に対し、平成27年度は267件と18件減少していますが、これは消防署からの緊急出動要請の増加に伴い、他院からの転院要請を若干控えたことによるもので、消防署からの要請による現場への出動は平成26年度の60件から同120件とそのニーズも更に高まって来ております。

諏訪広域消防の一元化を前に救急救助訓練にドクターカーとして訓練参加と共に、消防署との症例検討会を開催し、関係機関とも連携を密にとり、救命救急センターとしての期待に応えられるよう今後も努力してまいります。 


 

診療実績

平成27年度の救急患者数は、19,207名(前年度 19,802名)と595名減少したものの、救急車搬送件数は3,401名(同3,182件)で、救急車件数は 219件増加した。


 

統計(単位:件数)

学術実績

2017年

1)学会発表

○岡畠祥憲,島田宏,菅谷慎祐,竹田哲,牧野安良能,花村徹,五味邦之,芳澤淳一, 丸山起誉幸, 三原基弘,吉田和夫,梶川昌二,中村智次:原発性胆汁性肝硬変を背景とし、悪性腫瘍との鑑別に苦慮した肝Reactive Lymphoid Hyperplasia(RLH)の1症例.第103回消化器病学会総会,東京,2017.4月

○Yoshinori Okahata, Kazutaka Nishiyama: Strangulation ileus for primary small bowel volvulus in a 10-year-old boy. A review of 15 cases in Japanese school-aged children. 13th Asian Society for Pediatric Research, Hong Kong, October 2017

○岡畠祥憲,西山和孝:原発性小腸捻転症にて絞扼性イレウスを来した学童期小児の1例.第31回日本小児救急医学会総会,東京,2017.6月

○岡畠祥憲,伊藤鮎美,野首元成,西山和孝,酒井龍一,島田宏:胃癌術後に発症し、診断に苦慮したリンパ球性漏斗下垂体後葉炎の1例.第45回日本救急医学会総会,大阪,2017.10月

○伊藤鮎美,小倉崇以,中村光伸,酒井龍一:胸骨圧迫による内胸動脈損傷の 4 例.第45回日本救急医学会総会,大阪,2017.10月
 

2016年

1)学会発表

西山和孝,井手健太郎,種市尋宙,新田雅彦,太田邦雄,清水直樹,山畑佳篤,梅原実,市川光太郎,玉井浩,寺井勝:開発中JPS版救急蘇生コース受講者アンケートのまとめ.第119回日本小児科学会総会,札幌,2016.4月
 

西山和孝,有賀徹,市川光太郎:救命救急センターにおける小児の診療状況 ─成人救命救急センターへのアンケート調査から─.第30回日本小児救急医学会総会,仙台,2016.7月

志田和貴,野首元成,西山和孝, 月岡勝晶, 酒井龍一,岡畠祥憲,菅谷慎祐箕輪房子,片瀬大介, 太田正紀,津端隆志,夏川葵:当院ドクターカーの実績と今後の課題. 第52回日本赤十字社医学会総会,栃木,2016.10月

酒井龍一,羽田俊彦,臼井達也:赤十字病院の連携による JMECC(日本内科学会内科救急講習会)連携開催の報告. 第52回日本赤十字社医学会総会,栃木,2016.10月

片瀬大介:当院における RRT(Rapid Response Team)導入報告. 第52回日本赤十字社医学会総会,栃木,2016.10月

Yoshinori Okahata, Kazutaka Nishiyama, Kotaro Ichikawa: Ambulance vs Walk-in Comparision of the consultation form about the severity in abdominal blunt trauma: Retrospective study in a single pediatric emergency center. 12th Asian Society for Pediatric Research, Thailand, November 2016.

西山和孝,有賀徹,市川光太郎: 救命救急センターにおける小児患者の診療状況-成人救命救急センターへのアンケート調査から- .第44回日本救急医学会総会,東京,2016.11月

西山和孝,齊藤修,井上信明,浅野祥孝,市川光太郎:小児1次診療施設への災害支援報告.第44回日本救急医学会総会,東京,2016.11月

西山和孝:救命救急センターにおける小児医療提供体制構築のために.第44回日本救急医学会総会,東京,2016.11月

岡畠祥憲,中野慎也,生塩加奈,沖剛,神薗淳司,市川光太郎:当院における過去 5 年間の腹部鈍的外傷の症例についての検討.第44回日本救急医学会総会,東京,2016.11月

菅谷慎祐,三原基弘,坂井紘紀,竹田哲,岡畠祥憲,牧野安良能,花村徹,五味邦之,芳澤淳一,島田宏,丸山起誉幸,吉田和夫,梶川昌二,大橋昌彦,中村智次:腸重積を契機に発見された腸管嚢胞様気腫症の1例.第78回日本臨床外科学会総会,東京,2016.11月
 

2015年

1)学会発表

片瀬大介:御嶽山火山災害のDMATによる病院活動からみえたこと.第20回日本集団災害医学会総会,東京,2015.2月
 

西山和孝,市川光太郎,長村敏生,許勝栄:PECEPコース 「痙攣・虐待」について.第43回日本救急医学会総会,東京,2015.10月

2014年

1)学会発表

月岡勝晶, 野首元成, 矢澤和虎:地方市中病院において小児外傷性心停止で神経学的回復をした1例.第17回日本臨床医学会総会,栃木,2014.5月
 

月岡勝晶,野首元成,菅谷慎祐,宮岡俊輔,矢澤和虎,酒井龍一:ドクターカー連携により救命できた骨盤,下肢外傷による外傷性心肺停止の一例.第42回日本救急医学会総会,福岡, 2014.10月
 

津端隆志,箕輪房子,酒井龍一,野首元成,太田正紀,月岡勝晶,片瀬大介,志田和貴:ドクターカーの有用性を実感した外傷性心肺停止症例. 第50回日本赤十字社医学会総会,熊本,2014.10月

 

 <過去の実績>

 2013年 2012年     2011年  2010年  2009年    

   2008年 2007年     2006年  2005年   

 

 

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