薬物療法

 

様々な先進医療が登場しつつありますが、現時点で『がん』に対する治療としては、①手術療法、②薬物療法、③放射線治療が3つの大きな柱となっています。

ここでは、薬物療法について概説します。

少し前までは、抗がん剤治療あるいは化学療法という呼び名で呼ばれ、こちらの方が皆様にはなじみがある言葉かもしれません。1990年以降、これまでの抗がん剤といわれる種類の薬物に加え、分子標的薬とよばれる、がんの発育に関与する標的をたたく薬物が多く世に出るようになってきました。そのため、従来の呼び名では正確性を欠くため、今までの抗がん剤と新規の分子標的薬を含めた薬物による治療のことを総称して、薬物療法と呼んでいます。

薬物療法は全てのがんに同じような効果があるわけではなく、薬物療法が向く『がん』、そうともいえない『がん』があり、どこの『がん』であるかにより、その治療の目的が変わってきます。薬物療法が向く『がん』や、できれば他の治療法の方が望ましくても病気の状態によりそれが不可能な際に、次善の策として薬物療法が行われます。

薬物療法には料理でいうところのレシピが存在し、そのレシピのことを我々の業界ではレジメンといいます。適当なレシピではできばえの良くない料理となってしまうのと同じように、レシピ通り = レジメン通りに治療を進める必要があります。そのために、当院では電子カルテ上で、このレシピが守られるようなしくみで、安全な薬物療法を行っております。レシピにももちろんいろいろなものがありますが、日本ないし世界において標準とされる(奇をてらうことのない王道の)レシピのことを、標準レジメンと呼びますが、これに従って治療をすすめていきますので、ご安心下さい。

もちろん、王道レシピであっても、副作用等でご苦労されることもあるのも現実です。味覚に個人差があるように(おいしいと感じる人が多いレシピでもまずいと感じる人もいるように)、副作用の程度も個人差があります。副作用の軽重については、国際的な基準があり、この程度に応じて、薬物投与量やスケジュールの調節や、副作用に対処するための支持療法(皮膚の荒れに対して例えばステロイドの軟膏を、下痢がひどければ下痢止めを追加すること)で対応していきます。

当院では『がん』の薬物療法の専門家と関係学会等でお墨付きをいただいた、がん薬物療法専門医2名、がん指導薬剤師1名、がん専門薬剤師2名、がん薬物療法認定薬剤師2名、外来がん治療認定薬剤師2名、がん化学療法看護認定看護師2名がおり、安心して治療を受けていただける環境を提供いたします。

初回の点滴を用いた薬物療法については入院で行うことが多いですが、県下最大級の30床をもつ通院治療センターがあり、可能な限り通院での治療ができるように配慮しており、皆様に喜ばれています。

2018年度(2018.4.1~2019.3.31) 抗がん剤(注射薬)治療患者実人数と施行件数   ※内服薬のみの患者さんは含まれません

 

疾患名 延件数(施行件数) 実人数(患者数)
前立腺がん 2105 439
骨髄異形性症候群 1188 34
乳がん 1183 107
悪性リンパ腫 1141 101
多発性骨髄腫 1015 42
大腸(結腸・直腸)がん 826 81
膵臓がん 705 66
肺がん(非小細胞) 444 67
急性骨髄性白血病 329 10
膀胱がん(腎盂尿管癌) 186 23
胃がん 177 24
卵巣がん 144 24
胆道がん 142 18
PNH(ヘモグロビン尿症溶血) 139
肺がん(小細胞) 139 11
子宮体がん(肉腫含) 121 16
急性前骨髄球性白血病 105
食道がん 96 15
本態性血小板増殖症 96
子宮頚がん 54 10
頭頚部がん 54 8
悪性神経膠腫 53 9
軟部肉腫(脂肪・血管肉腫等) 48 6
腹膜がん 43 10
胚細胞腫瘍 32
キャッスルマン病 27
腎細胞がん 23
肝臓がん 22
陰茎がん 20
滑膜肉腫 20
急性リンパ性白血病 14
原発不明の癌 11
肛門がん 10
その他 18 7
総計 10730 1153

※集計値が5以下の場合、値を-(ハイフン)で表示

 

 

主ながん種別抗がん剤治療施行件数と実人数のグラフ(2018年度)は ←こちらをクリック

 

 

 

 

 

 

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