科の紹介

センター長あいさつ

 当院に心臓血管センターが設立されて8年が経過しました。心臓血管疾患に対して内科・外科の垣根を取り払い、総合的に診療にあたることを目的としたセンターの設立でした。

循環器内科は心臓カテーテル件数が年間900件、冠動脈治療が270件(190症例)、下肢血管治療が70病変(43症例)、ペースメーカー術が110件、カテーテルアブレーションが50例の実績です。心臓外科は心臓胸部血管手術が120件、腹部末梢血管手術が60件の実績です。最近では、症例の検討、治療方針の決定はもちろんのこと、冠動脈造影検査、大血管ステント治療や末梢血管治療まで内科・外科が共同して診療・治療にあたっています。

2016年はカテーテルを用いた大動脈弁留置術(TAVI)の施設認定に向けて、心臓血管センターの機能を強化してきました。これまでは循環器内科心臓血管外科、関連部門の技師と看護師を主体としたチームでした。TAVI施行では緊急手術へ移行する可能性があるため麻酔科医および手術室看護師が新たに参加し、より大きく強力なハートチームとなりました。週一回のTAVI関連の勉強会や施設見学および学会研究会の報告なども行い、多職種が集まり情報の共有をしております。またTAVIの前治療である大動脈弁バルーン治療にも積極的に取り組んでおります。病院全体や周辺医療施設の協力も仰ぎつつ、心臓血管センターとして更なるグレードアップに努めております。

理念

 南信地区の中核的な施設の構築を目指して、全国levelの職種を超えたチーム構成で集学的治療を実践し、南信地区の住民の循環器疾患における病状の改善・再発予防に努める。

目的

  1. 胸痛や息切れ、間欠性跛行、眩暈など訴える循環器疾患の速やかな診断・治療・更に再発予防に取り組める環境づくりを行う。
  2. 患者本人も含めた集学的な治療が行えるようにする。
  3. 学会・研究会へ積極的にアプローチし、症例の登録等にも積極的に行う。
  4. 地域医療機関と積極的に交流し、地域としての循環器治療のレベルアップに取り組む。
  5. 診療技術の維持に向け、積極的に患者治療を行う。

スタッフの紹介

循環器内科医師 7名  
心臓血管外科医師 4名  
病棟看護師 32名 (心臓リハビリテーション指導士 1名)
ICU看護師 24名 (集中ケア認定看護師 1名)
カテ室看護師 9名  
診療放射線技師 10名

(日本血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師 3名、超音波検査士血管領域 1名)

臨床検査技師 6名 (超音波検査士心臓領域 5名、心臓リハビリテーション指導士2名)
臨床工学技士 11名 (体外循環技術認定士 5名)
理学療法士 5名 (心臓リハビリテーション指導士 1名)
薬剤師 4名  

検査・治療実績

心臓血管外科 平成24年度 平成25年度 平成26年度
開心術 105 106 94
血管手術(ステント含む)  79 49 65

 

 

循環器内科 平成24年度 平成25年度 平成26年度
冠動脈カテーテル(総件数)  884 811 872
冠動脈カテーテル治療(PCI) 211 188 198
ロータブレーター  21 13 4
末梢血管治療(PTA)  66 78 71
経皮的肺動脈形成術(BPA) 0 13 19
ペースメーカー移植・交換術  44 53 62
ICD/CRT  0 5 10
アブレーション  2 26 37
冠動脈CT  226 269 247
心臓リハビリテーション 135 202 237

高度治療・手術の紹介

ロータブレーター(Rotablator 高速回転冠動脈アテレクトミー

冠動脈狭窄の治療では狭窄部でバルーンを加圧して拡張する冠動脈形成術が行われています。しかしカルシウムが沈着し石灰化した硬い動脈硬化巣では、限界まで加圧してもバルーンが拡張しない状況が起こります。このような際に有効なのがロータブレーターです。原理としては歯医者さんが使用しているむし歯の治療器具を想像してもらうとよいかと思います。ロータブレーターは先端にダイアモンドチップがコーティングされた紡錘形の先端を持つカテーテルで、18万-20万回転/分の高速回転することで石灰化した動脈硬化巣を削り取ります。削られた動脈硬化巣は細かい粒子となり冠動脈の血流には大きな影響を与えないことが実験的に証明されています。

施設認定が必要な治療なため長野県内では数施設でのみ施行されており、南信地域では当院のみが施設認定を受けております。

ロータブレーター1
※画像提供 トーアエイヨー株式会社
ロータブレーター2
 
カテーテルアブレーション

カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)とは、不整脈の原因となる部位を高周波により変性させ、不整脈を根治する治療法です。カテーテルアブレーションより内服薬を中止したり、減量したりできる可能性があります。対象となる不整脈疾患は、発作性上室頻拍、心房粗動、心房頻拍、心室頻拍、心房細動です。心房期外収縮、心室期外収縮も、頻度や患者様の希望に応じて行っています。

カテーテルアブレーション1
 
カテーテルアブレーション2
 
ペースメーカー・植込み型除細動器(ICD)・心室再同期療法(CRT)

ペースメーカー

症状を伴う徐脈に対するペースメーカー治療に加え、突然死予防のための植込み型除細動器(ICD)、心不全の治療のための心臓再同期療法(CRT)などの植込み、管理を行っています。これら植込み機器は、絶えず機器本体および患者様の心臓の状況を確認、記録しています。その情報は、電話回線を通じて専用のサーバーに送られ、医師がサーバーにアクセスして確認することができます(「遠隔モニタリング」システム)。当院もこのシステムを利用して診療にあたっています。

 

慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対するバルーン肺動脈形成術(BPA)または経皮的肺動脈形成術(PTPA)

 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)は、器質化(古い)血栓により肺動脈が狭窄・閉塞して肺動脈圧が上昇し、心不全を呈する病気で国の難病に指定されています。肺動脈の近位に血栓がある場合、外科的に血栓を摘出する肺動脈血栓内膜摘除術(PEA)の適応となりますが、肺動脈の末梢に血栓がある場合、高齢で合併疾患を有する場合、外科手術は困難となります。当院では、肺動脈の狭窄・閉塞をバルーンで拡張するカテーテル治療(バルーン肺動脈形成術:BPA)を外科手術が困難な末梢型や高齢の方に対して実施しています。

バルーン肺動脈形成術治療前
治療前
バルーン肺動脈形成術治療後
治療後
大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術

大動脈瘤とは動脈硬化など、様々な原因で大動脈が拡張する病気です。拡張しすぎて破裂すると死亡に至る可能性の高い危険な病気の一つです。従来は体を大きく切り開いて人工血管に置換する方法が取られていました。近年ではステントグラフトという折りたたんだ人工血管を足の付け根などから挿入し、X線画像を見ながら留置する治療法が確立され当院では平成22年よりこの治療法を施行しております。従来手術よりも体への負担が大きく軽減され、これまで手術を受けられなかった高齢者、余病を抱える方に大きな福音となっています。

ステントグラフト内挿術
※画像提供 トーアエイヨー株式会社

僧帽弁形成術

僧帽弁閉鎖不全症の治療の一つです。従来は人工弁置換手術で自身の弁を切除して人工弁に入れ替えていました。一方、弁形成とはわかりやすい言葉で言うと、「修理」のことです。つまり自身の弁を修理して使うことで人工弁を入れなくても済むようになります。従来、人工弁を入れた場合に生涯必要だったワーファリンというお薬を形成弁の場合は短期間で止める事ができ、心機能にも有利な点があるといわれています。心機能が悪い方や高齢、或いは女性で将来妊娠を希望するなどお薬が使いにくい方に適しています。当院では病状と患者さんの希望に応じて積極的にこの手術を行なっています。

僧帽弁形成術
※画像提供 トーアエイヨー株式会社

その他

冠動脈CT

造影剤投与下にCT撮像を行い、冠動脈の走行、狭窄の有無などを評価します。冠動脈造影よりも低侵襲であり、冠動脈疾患のスクリーニングとして有用です。一方、冠動脈の石灰化が高度な方や不整脈のある方などは良好な画質が得られないケースもあり、こうした場合は冠動脈造影をお勧めしています。

冠動脈CT
冠動脈CT
冠動脈造影(心臓カテーテル)
冠動脈造影(心臓カテーテル)
心臓リハビリテーションの紹介

 

 当院での心臓リハビリテーションは心筋梗塞発症、心臓大血管手術、心不全後の患者さんを対象に、運動能力と運動耐容能の向上を目的に理学療法士が運動を行っています。心筋梗塞後の患者さんに対しては、運動負荷試験(写真:患者さんに合った適正な運動の強さを判断する検査)を活用して一人一人の状態に合った運動を指導しスムースな社会復帰を目指して関わっています。

 

血管撮影装置の紹介
血管撮影装置

Infinix Celeve-i INFX-8000V

(東芝メディカルシムテムズ株式会社)

2014年1月より、血管撮影装置が2台となります。第1カテ室はバイプレーンというCアーム(血管の撮影をする装置)が2台連動して同時に2方向の撮影や透視が出来る装置です。良質な画像や多彩な機能を持ち合わせた最新鋭の装置です。第2カテ室はハイブリッドカテ室という手術室と同じ清潔な環境の仕様になっており、今まで手術室で行っていた大動脈に対するステントグラフト内挿術をこのカテ室で行えるようになります。3Dの血管撮影やCTのような画像表示もできる多機能な装置です。また、同時に2部屋での検査・手術が可能となり、時間のかかる手術やたくさんの検査を行える環境となりました。今後、さらに高度なカテーテル検査や手術が行えるよう充実させていきたいと思っております。

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