TAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)
開胸することなく、また心臓を止めることなく、カテーテルを使って患者さんの大動脈を人工弁に置き換える経カテーテル大動脈弁治療。患者さんへの体の負担が少なく入院期間が短いのが特徴です。

提供:エドワードラインサイエンス社
TAVIの適応患者
<前提>
高年齢のために体力が低下している患者さんや、他の疾患などのリスクがある患者さんなど、外科的手術が困難な患者さんが対象です。
(例えば・・)
■ ご高齢な方
■ 大動脈が高度に石灰化している方
■ 胸部に対する外科的手術の既往のある方
■ 冠動脈バイパス手術の既往のある方
■ 頸動脈狭窄や慢性閉塞性疾患(COPD)
■ 肝硬変などの合併症のある方
TAVIの治療法
提供:エドワードラインサイエンス社
詳細PDFはこちらをご覧ください
ロータブレーター(Rotablator) 高速回転冠動脈アテレクトミー
冠動脈狭窄の治療では狭窄部でバルーンを加圧して拡張する冠動脈形成術が行われています。
しかし、カルシウムが沈着し石灰化した硬い動脈硬化巣では、限界まで加圧してもバルーンが拡張しない状況が起こります。このような際に有効なのがロータブレーターです。
原理としては歯医者さんが使用しているむし歯の治療器具を想像してもらうとよいかと思います。
ロータブレーターは先端にダイアモンドチップがコーティングされた紡錘形の先端を持つカテーテルで、18万-20万回転/分の高速回転することで石灰化した動脈硬化巣を削り取ります。
削られた動脈硬化巣は細かい粒子となり冠動脈の血流には大きな影響を与えないことが実験的に証明されています。
施設認定が必要な治療なため長野県内では数施設でのみ施行されており、南信地域では当院のみが施設認定を受けております。

※画像提供 トーアエイヨー株式会社
カテーテルアブレーション
カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)とは、不整脈の原因となる部位を高周波により変性させ、不整脈を根治する治療法です。
カテーテルアブレーションより内服薬を中止したり、減量したりできる可能性があります。
対象となる不整脈疾患は、発作性上室頻拍、心房粗動、心房頻拍、心室頻拍、心房細動です。
心房期外収縮、心室期外収縮も、頻度や患者様の希望に応じて行っています。
ペースメーカー・植込み型除細動器(ICD)・心室再同期療法(CRT)

症状を伴う徐脈に対するペースメーカー治療に加え、突然死予防のための植込み型除細動器(ICD)、心不全の治療のための心臓再同期療法(CRT)などの植込み、管理を行っています。
これら植込み機器は、絶えず機器本体および患者様の心臓の状況を確認、記録しています。
その情報は、電話回線を通じて専用のサーバーに送られ、医師がサーバーにアクセスして確認することができます(「遠隔モニタリング」システム)。
当院もこのシステムを利用して診療にあたっています。
慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対するバルーン肺動脈形成術(BPA)または経皮的肺動脈形成術(PTPA)
慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)は、器質化(古い)血栓により肺動脈が狭窄・閉塞して肺動脈圧が上昇し、心不全を呈する病気で国の難病に指定されています。
肺動脈の近位に血栓がある場合、外科的に血栓を摘出する肺動脈血栓内膜摘除術(PEA)の適応となりますが、肺動脈の末梢に血栓がある場合、高齢で合併疾患を有する場合、外科手術は困難となります。
当院では、肺動脈の狭窄・閉塞をバルーンで拡張するカテーテル治療(バルーン肺動脈形成術:BPA)を外科手術が困難な末梢型や高齢の方に対して実施しています。

治療前

治療後
大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術
大動脈瘤とは動脈硬化など、様々な原因で大動脈が拡張する病気です。
拡張しすぎて破裂すると死亡に至る可能性の高い危険な病気の一つです。
従来は体を大きく切り開いて人工血管に置換する方法が取られていました。
近年ではステントグラフトという折りたたんだ人工血管を足の付け根などから挿入し、X線画像を見ながら留置する治療法が確立され当院では平成22年よりこの治療法を施行しております。
従来手術よりも体への負担が大きく軽減され、これまで手術を受けられなかった高齢者、余病を抱える方に大きな福音となっています。

※画像提供 トーアエイヨー株式会社
僧帽弁形成術
僧帽弁閉鎖不全症の治療の一つです。
従来は人工弁置換手術で自身の弁を切除して人工弁に入れ替えていました。
一方、弁形成とはわかりやすい言葉で言うと、「修理」のことです。
つまり自身の弁を修理して使うことで人工弁を入れなくても済むようになります。
従来、人工弁を入れた場合に生涯必要だったワーファリンというお薬を形成弁の場合は短期間で止める事ができ、心機能にも有利な点があるといわれています。
心機能が悪い方や高齢、或いは女性で将来妊娠を希望するなどお薬が使いにくい方に適しています。
当院では病状と患者さんの希望に応じて積極的にこの手術を行なっています。

※画像提供 トーアエイヨー株式会社