乳腺について

【はじめに】

 我が国においては、乳がんは増加の一途をたどり、年間5万人以上が乳がんの診断を受けています。女性に発生するがんの中では最も患者数が多いとされ、16人に1人が乳がんにかかる時代です。

【乳がん発症の特徴】

表:ガン罹患・死亡動向
 

 20年以上前は、ほかのがんと同様に年齢とともに患者数が増加する傾向でしたが、最近では乳がんにかかる人は30歳ころより増加し始め、50歳手前にてピークを迎えています。働き盛りあるいは子育ての真っ最中の年代でもあり、社会生活に大きな影響を与えています。

【当院での検査、治療】

 当科では、医学的根拠に基づき、ガイドラインに沿った標準治療を行っております。その中で、可能な限り患者さんの希望に沿えるような治療の選択肢の提案を心がけております。

 

①マンモグラフィー
写真:マンモグラフィー
 

 乳腺に疾患を疑われた場合もしくは症状を自覚されて受診された場合は、マンモグラフィー検査を施行しています。

 2枚の透明な圧迫板で上下左右から乳房を強く圧迫してX線撮影をします。乳房から脇の下までを撮影し、およそ15〜20分程度を要します。当院では女性のレントゲン技師が撮影にあたっております。

②超音波検査

 マンモグラフィーにて所見が認められたり、あるいは病変を自覚されるような場合は、超音波検査を施行して病変の有無、良悪の鑑別の判断をします。

③乳腺MRIおよび針生検

 マンモグラフィーおよび超音波にて乳がんが疑われる場合は、乳腺の造影MRI検査及び針生検による組織検査にて診断を確定させます。乳腺MRI検査にて病変の良悪の鑑別、病巣の広がり、同じ乳腺内の副病変の有無を確認し、治療の計画をたてます。この検査は、非常に専門性の高い検査であるため、松本市の提携医療機関にて施行しております。

 以上の検査にて乳がんの診断に至った場合には、CT、骨シンチグラフィー、PET-CT等によりがんの進行度、広がり、サブタイプを調べて治療の方針を検討いたします。

【外科的治療】

当院では2012年には75件の乳がん手術を施行しております。そのうち乳房温存術は43件(57.3%)で、全国平均とほぼ同様な数字となっております。可能な限り乳房の整容性を保った温存術に心がけておりますが、乳房切除術が必要な方には形成外科と連携して乳房再建を行うことも可能です。

センチネルリンパ節生検
センチネルリンパ生検
 

 当院では、早期乳がんの患者さんに対してはセンチネルリンパ節(見張りリンパ節)生検を施行しております。特殊な方法にて術中にセンチネルリンパ節を同定、摘出して病理組織検査にてがんの転移があるか診断をしてもらいます。転移がなければ腋窩(脇の下)のリンパ節郭清を省略することができ、腕のむくみなどの後遺症を防ぐことができます。

【薬物療法】

乳癌の薬物療法は、大きく分けて

・内分泌療法(ホルモン療法)

・化学療法(抗がん剤治療)

・分子標的治療

があります。組織学的な検査の結果に基づき、必要に応じて治療の提案をいたします。

 諏訪地方の乳がんを安心して諏訪で治療して頂けるよう、努力致します。乳房に関する不安、症状があればご相談ください。

 また、当科では甲状腺、副甲状腺疾患の診療も、もう一つの柱として行っております。甲状腺及び副甲状腺に発生する良性、悪性腫瘍の外科的治療を始め、甲状腺のバセドウ病や橋本病、亜急性甲状腺炎等の内科的疾患まで治療にあたっております。甲状腺、副甲状腺領域はマイナーな領域ではありますが、その分より高度な専門性が要求されます。検診、人間ドックなどで甲状腺の異常を指摘され、どこを受診していいかわからない場合も多いと思われますが、ぜひ当科にご相談ください。

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