東日本大震災から4年経ちました。
朝、黙祷を捧げて、仕事を始めました。
当院では、昨日と本日、医療の質と臨床倫理に関する研修が開催されました。
講師である石垣靖子先生から、
『4年前に震災があり、私たち一人一人が、今日ここにいられるのは奇跡です。
一人一人が、生きていられることが奇跡であることを忘れてはいけません。』
とお話がありました。
今、こうしていられることに感謝して、自分を大切に、患者さんを一人の人として大切に、人としての尊厳を失うことなく生きられるようケアすることの大切さを教えて頂きました。
石垣先生は、患者さんが意思を表明できないときであっても、人として尊重されることが大切である、それを行うことは医療の基本であると何度も繰り返し話して下さいました。
救急外来、救急病床は、倫理観の高さが最も求められる部署ともいえます
。
意識がはっきりしなかったり、患者さんにとって最も苦しい時にケアをする場所です。
救急病床です。

全体の様子が伝わるでしょうか。
逆光で分かりにくいかもしれませんが、もう少し明るいです
。

新人ナースさんがケア中です。

点滴の準備です。

この二人の看護師さんは偶然にも同じ苗字。
今日はバディを組んでいます。
ファーストネームで呼び合うのでしょうか
救急病床は、入室して退室までが3日程度です。
短い期間のケアであり、リハビリテーションを行ったり回復していく患者さんの様子を目にすることができません。
看護師にとっては、患者さんの回復は喜びであり、エネルギーになります。
ですから、「たまーにですが、良くなった患者さんが挨拶に来てくれて、具合の悪い時と全く違った元気な様子を見られると、嬉しいです。」と話していました。
患者さんの最も苦しい時にケアすること。
看護師さん達が心がけていることは、「先を予測して、完璧に準備して、スムーズな治療が受けられること」です
。それができることが満足感にもつながっているそうです。
患者さんの初療のケアをするのは、救急外来です。


研修医の先生が治療中でした。

本当に丁寧に声をかけて治療にあたっていました。
救急外来の看護師さん達は、「とにかく迅速に治療ができること」を大事にしていると話してくれました。
優しい看護師さん達なのですが、その表情は凛としていて、たくさんの重症例をケアしてきた経験からの言葉は、一言ですが重く、熱いものでした。
当院は、ドクターカーを持っています。
常勤の救急救命士が2名いて、出動態勢を常に整えています。
数日前に、看護師さんと救急救命士さんが出動後の片づけをしているところに出会いました。

そして、今日再び救急救命士さんにお話を聞くことができました
。
ドクターカーも見せてもらいました。
ドクターカーに積み込む物が常に救急外来に準備されています。

ドクターカーの中です。

救急救命士さんが運転をします。
ドクターカーは3分以内に出動できるよう救急外来前に駐車してあります。
救急救命士さんによると、実際は1~2分で出動しているとのことでした。

map fanというアプリが入ったタブレットをもって出動するそうです。
消防機関から現場の情報が入り、そこに向かうのだそうです


ドクターカーには、医師、看護師、救急救命士が乗り込み、より早い治療が行えるように出動しているのです。
「限られた時間、資器材で治療を行うので、一人で何とかしようと思ってもできない。とにかくコミュニケーションを大事にして、みんなで一つの目的に向かって治療をすることが大事で、役割は違うけれど、目指しているところは同じところに向かっている。それが大事です。」と救急救命士さんが教えてくれました。
師長さんも、救急外来、救急病床のケアで大事にしていることは、「和、チームワーク」と答えてくれました
究極のチーム医療が、短時間に行われる場所でもあります。
不幸にも病に倒れたり、怪我を負った患者さんが、その後の人生をその人らしく生きるための、最初の治療の場面で、医療者が心を一つにして治療に臨むこと、そのために専門性を常に高めるための努力を続けることが大事だと教えてもらいました。
3月11日。
倫理の研修から、救急医療まで、人が生きることをしっかりと考える時間をもらった日でした
。