科の紹介
当科は、虚血性心疾患、弁膜疾患、成人先天性心疾患などの心臓疾患、大動脈瘤、急性大動脈解離などの大血管の疾患、また閉塞性動脈硬化症などの末梢動脈疾患など循環器領域全般に対する外科治療を行っています。
平成20年7月には心臓血管センターを開設し、今まで以上に、循環器内科との連携を密に診療にあたっています。
我々はこれまでの経験をもとに、循環器内科、麻酔科、看護部、臨床工学部などと綿密に連携し、更に質の高い安全な医療の提供を目指しております。
また、治療にあたっては、患者様やご家族に十分な説明を行い、患者様による選択を重視した治療を行っていくことを基本方針とすると同時に、患者様ご家族の心情や不安を理解した上で心のこもった診療を行っていく所存です。
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各疾患に対する当科の治療方針と特徴
(1) 狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患
虚血性心疾患に対する冠動脈バイパス術では、人工心臓を使用し、心肺止下に手術を行う冠動脈バイパス術を基本的な方法として行ないます。
心筋梗塞にて心臓が拡大し、心臓の収縮が低下している患者様に対しては十分な検討のもとに左心室を切開してリフォームを行う左室形成術を施行致します。
心筋梗塞が原因で僧帽弁閉鎖不全を生じている患者様に対しては弁輪形成術等、極力患者様の弁を修復する手術を施行しています。
(2) 弁膜症
僧帽弁の弁膜症の患者様には、できるかぎりご自分の弁を修復する弁形成術を施行致します。
しかし、リウマチ性弁膜症や弁の破壊が高度な感染性心内膜炎の患者様に対しては人工弁置換術をおすすめしています。
(3)成人の先天性心疾患
心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、動脈管開存症などの疾患の治療を行います。
(4)その他の心疾患
収縮性心膜炎に対する手術、心臓腫瘍(粘液腫など)の摘出術、拡張型心筋症に合併した僧帽弁閉鎖不全症に対する弁形成術などを行います。
(5) 大血管の疾患
急性大動脈解離や、胸部・腹部大動脈瘤破裂に対する緊急的人工血管置換術、待機的な大動脈瘤(胸部~腹部)に対する人工血管置換術、大動脈狭窄に対するバイパス術などを施行します。
(6)末梢の動脈疾患に対する手術
閉塞性動脈硬化症による下肢の虚血に対して血管内治療(カテーテルを用いた治療)、外科的人工血管バイパス術を施行しています。